北風のテーブルかけ 続き

昨日の続きをご覧下さい・・・

ハンスはお家に帰り、うれしそうにお母さんにいいました。
「北風さんはいい人だったよ。ごちそうを出してくれるテーブルかけをくれたんだ。」
お母さんは言いました。
「それはいいことだね。でも、本当なのかい?」
そこで、ハンスはテーブルかけに命令しました。
「”ひろがれ、テーブルかけよ!ごちそうを出せ!”」
しかし、ひとかけらのパンも出ませんでした。
「あれぇ、これじゃ役にたたないよ!もう一度、北風さん会いに行ってくるよ。」

ハンスは、もう一度、北風さんのお城に行きました。
ハンスは北風に向かって言いました。
「テーブルかけは役に立たなかったよ。僕たちの食べものを返してくれないかな?」
北風は言いました。
「ここにはお前たちの食べものは無い。かわりにそこにいる羊をお前にあげよう。
この羊がひづめを叩くと、お前の望む金貨を何枚でも作ってくれるぞ。
”羊よ羊!金貨を作れ!”と言えばいい。」

ハンスは、この羊をもらってお家に帰ろうとしました。
しかし、遠い道のりのため、また同じ宿に泊まることにしました。
ハンスは北風の言うことを試してみました。
「”羊よ羊!金貨を作れ!”」
すると、羊がたくさんの金を作りました。

その様子をみていた宿の主人が、ハンスの羊を欲しいと思いました。
そこで、ハンスが寝ている間にハンスの羊を奪い、
見た目が似ている普通の羊を代わりに置いておきました。

ハンスはお家に帰り、お母さんに羊を見せました。
「北風さんはやっぱりいい人だったよ。金貨を作る羊をくれたんだ。」
そして羊に命令しました。
「”羊よ羊!金貨を作れ!”」
しかし、一枚の金貨も作ろうとしませんでした。
「あれぇ、これじゃ役にたたないよ!また、北風さん会いに行ってくるよ。」

ハンスは北風に会いに行って、カンカンになって食べもの返してくれるように言いました。
北風は言いました。
「ここにはお前たちの食べものは無い。それに、お前にあげるものは
そこの隅っこにある杖くらいしか無い。
”杖よ杖!たたけ!” と言えばお前の命令するものを叩く。
”杖よ杖!とまれ!”と言えば叩くのをやめる。」

ハンスは杖をもらって、前と同じ宿に泊まりました。
ハンスは疲れきっていたので、すぐにいびきをかいて寝てしまいました。

それを見た宿の主人は、この杖をきっといいものに違いないと思い、
普通の杖にすり替えようとしました。
それに気づいたハンスは、とっさに叫びました。
「”杖よ杖!たたけ!”」
杖に叩かれた宿の主人は、イスやテーブルを上を駆けまわりました。
すると、主人は言いました。
「お願いだからやめておくれ!テーブルかけも羊もお前さんに返すよ!」
それを聞いてハンスは言いました。
「”杖よ杖!とまれ!”」

次の朝、ハンスは宿を出てお母さんの待つ家に向いました。
ポケットにはテーブルかけ入れて、手には杖を持ち、さらに、羊を引き連れていました。
こうして、ハンスとお母さんは幸せに暮らすことができました。

おしまい



このように、誰かの助けを得て1つの事を成し遂げるような内容の物語がノルウェーには沢山ありました。
きっとノルウェーで暮らしている人々もまた、お互いが助け合って自分たちの暮らしを豊かなものにしているのかなぁと感じ、なんだか暖かい気持ちになりました。
私自身も自分の周りにいる仲間たちを大切にしていきたいと思います。

みなさんはいかがだったでしょうか?

また、ご紹介させていただきます。

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